タイIDカードの取得

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2020年12月

タイ永住者のIDカード

IDカード取得は一連の永住権受領手続きの最後の最後

タイの永住者になると、ピンクの券面の「非タイ国籍者用IDカード」Non-Thai Identification Card บัตรประจำตัวคนซึ่งไม่มีสัญชาติไทย を取得することが出来る。

取得するには順番があって、まず入管で永住権を証する「居住証明書」Certificate of Residence を受領する。
次に、住所を所管する警察署で「外国人身分証明書」Certificate of Alienを受領する。
そして郡役所等で「住居登録証」(タビアンバーン)への登録を行う。
上の3つが済めば、これでIDカードの取得が可能になる。

つまり、これら一連の永住権受領と登録手続きを済ませたら、ようやく一番最後に取得できるのが、このIDカードというわけだ。

「タイ永住権の一連の受領手続き」と言うと、上に挙げた

「入管で居住証明書を受領」
「警察署で外国人身分証明書を受領」
「郡役所等で住居登録証(タビアンバーン)に登録」

の、この3つの手続きを言うことが多い。
入管が新規永住者に対して、この3つを完了するよう指示するからだ。

一方、IDカードの取得については、入管は特に指示も説明もしない。
しかし、実際にはこのように、「IDカードの取得まで」が一連の受領手続きだと言った方が、実態に合う。

だからIDカードの取得は、タイ永住権受領の「最後の最後」の手続きだ。

IDカード取得は、厳密には義務だが・・・

厳密に言うと、「タイ国民登録法」やタイ内務省中央登録局「非タイ国籍者IDカード発行規則」に従えば、外国人が「住居登録証」(タビアンバーン)に氏名が登録されると、永住・非永住を問わず、「非タイ国籍者IDカード」を「取得せねばならない」とされている。
つまり法規上、取得は任意ではなくて義務なのだ。

しかし、入管も郡役所も永住者に対して特に取得を促すような指導はしていないし、何も手続していないからと言って取得を強く求められたり、ましてや罰せられるような現状にはない。
なので、法規上はともかく運用実態としては、取得するかどうかは当人の任意だ。

永住者専用のIDカードは存在しない

私が永住者になって取得した「非タイ国籍者用IDカード」

なお、タイにはアメリカのグリーンカードのような「永住者専用のIDカード」は存在しない。
この「非タイ国籍者用IDカード」は、「住居登録証」(タビアンバーン)に登録された外国人と無国籍者が取得できる。「住居登録証」(タビアンバーン)に氏名が登録されてさえいれば、永住・非永住を問わない。
だから、非永住外国人でも、黄色の住居登録証(トーロー13)に登録すれば取得できる
そのようなことから、このIDカードは永住者専用というわけではない。

IDカードには「永住者」の明示がない

それから、永住者が取得した「非タイ国籍者用IDカード」の券面には、「永住者」だと明示する表記が何もない。
厳密に言うと、永住者はタイのID番号が 8- から始まる。8- を割り振られるのは永住者だけだ。
だから、ID番号の意味が分かる人が見れば分かるということにはなるが、少なくとも一般の人がパッと見ただけでは、カードから永住者である事実はわからない。

タイ人用の水色のIDカードは取得できない

またこのように、永住者が取得できるIDカードはこの、ピンク色の非タイ国籍者用カードの方だ。
タイ人と同じ水色の「タイ国民IDカード」(Thai National ID Card บัตรประจำตัวประชาชน)は取得できない。

IDカード取得の実際

自分で手続しないと自動的にはもらえない!

永住者のIDカードは、住居登録証(タビアンバーン)への登録に伴って、自動的・付随的に発給されるわけではない。自ら取得手続きを取ることが必要だ。
放っておくといつまでももらえない。
もっとも、住居登録証(タビアンバーン)へ登録した役所によっては、IDカードの発行まで一体的にやってくれるところもあるようだ。
このあたりの扱いの実際は、手続する役所によって異なる。

タイのIDカードシステムの委細については、こちらにまとめたので、合わせて参照を。

参 照:タイのIDカードとは何か?

発行場所

「非タイ国籍者用IDカード」は、住所を管轄する区役所・郡役所・市役所(一部)のいずれかで発行を受ける。
これらの役所ならどこでもいいわけではなくて、発行を受けられるのは、「住居登録証」(タビアンバーン)に自分の氏名を追記した役所だけだ。
タイ人用のIDカードならば全国どの役所でも発行できるが、こちらのカードはそうではない。
非タイ国籍者用は、新規発行も再発行も、住所を管轄する役所1カ所のみが取り扱うので、注意を要する。

コロナですぐには発行できず・・・

私は2020年6月に入管で永住権を証する「居住証明書」を受領して、7月に郡役所で「住居登録証」(タビアンバーン)に氏名を追記した。その際に、IDカードも一緒に取得しようとした。
しかし、私の住所を管轄する郡役所では、コロナのために、「非タイ国籍者用IDカード」の発行を一時停止にしていた。
カード素材の在庫もなくなっているそうで、再開が決まったら内務省本省から取り寄せるので、再開されたら電話で伝えるから、とのことだった。
発行再開まで3か月待って、結局、カードの作成は10月になった。

10月に郡役所から電話があり、「発給が再開されたから手続きしたい日時を事前予約しろ」という。
但し、この郡役所での「非タイ国籍者用IDカード」の発行は、毎週木曜の午後だけだという。
10月中の都合が良い木曜を午後イチの時間で予約した。

本人と証人に調書取り

IDカードの作成は、結構な手間を要した。
本人以外に、タイ人の証人一名の同行も必要とのことで、妻が時間休を取って同行した。

本人と証人にそれぞれ調書取りがあった。
これまでの経歴や知り合った経緯、IDカードを申請する理由や目的が尋ねられた。

尋ねる内容自体は大したことないのだが、郡役所での調書取りなら、3か月前に「住居登録証」(タビアンバーン)に氏名を登録した際にやったばかりだ。
質問内容はほとんど重複している。

この調書取りだけで約1時間かかった。
正直なところ時間ばかりかかって、かなり手間だ。

申請書類と発行手数料60バーツを渡し、旧IDカードは返却

窓口でIDカードの申請書を書いて渡す。
提出書類として、次を合わせて渡した。

入管が発行した永住権を証する「居住証明書」Certificate of Residence
警察発行の「外国人身分証明書」Certificate of Alien
「住居登録証」(タビアンバーン)

それぞれ、原本と全ページコピー。

発行手数料は60バーツだ。

この際に、ノン・イミグラントビザ(非永住者)の頃に取得した、旧IDカードを返却した。
外国人でも非永住者のID番号は 6- から始まるが、永住者になるとカテゴリーが変わり 8- から始まる。
番号が変わってしまうので、旧カードは返却せねばならない。

申請が受け付けられると、もう証人は帰ってもいいということで、妻は仕事に戻る。

係員が、IDカード発行情報をパソコンに打ち込むが、何かのエラーがあるようで、なかなか作業が進まない。何人がかりかで解決している。

こちらは待合ベンチに座って、40分以上ただ待つ。

写真撮影したらカードをその場で発行

上の入力作業が終わったら、名前が呼ばれ、写真を撮影してカードを発行する。
カードはその場ですぐ発行される。

白い背景の前に立って、IDカード用の写真を撮影。
横の線は身長を示す目盛り。

ここで撮影された写真は、カードに転写されるだけでなく、内務省の住民登録システムに自分の情報の一部として取り込まれ、システム上に保管される。

発行されたIDカードを受け取ったら、無事に終了。

所要は約2時間だった。

60歳未満はカード有効期限が10年

IDカードには10年の有効期限がある。
期限が切れたら再発行が必要だ。
但し、60歳に達してから発行を受けると、無期限となる。

タイ人用IDとの発行場所の違い

「非タイ国籍者用IDカード」とタイ人向けのIDカードの違いは、一つは発行場所だ。

タイ人用のIDカードであれば、現在、どこの郡役所・区役所・市役所・県庁住民課でも、発行することが出来る。
海外ではタイ大使館・総領事館でも可能だ。
(機材設置がなくてできないところもある)

一方、「非タイ国籍者用IDカード」は、「自分の氏名を『住居登録証』(タビアンバーン)に登録した役所1カ所のみ」でしか発行できない。
新規発行だけでなく、再発行も同様だ。

発行可能日

「非タイ国籍者用IDカード」の発行は役所によって、毎日いつでも取り扱っているところと、曜日と時間を限定して、集約的に扱っているところがある。

私の郡役所の例だと、「非タイ国籍者用IDカード」の発行は週1回だけ。
毎週木曜13.30~ だ。

こういう取り扱いの違いは、役所による。
むだ足にならないように、事前によく確認したい。

永住者向け外国人ID番号は 8-

カードには、13ケタのID番号が記される。
このID番号は、「住居登録証」(タビアンバーン)に明示されていて、IDカードの方も必ず同一番号になる。

永住者のID番号は、ひと桁目が 8- から始まる。

ID番号の詳細については、こちらにまとめた。

参 照:タイのID番号 -数字と意味-

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