在留届の変更(長期滞在→永住)

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2022年6月

在留届の変更(長期滞在→永住)

タイに住む邦人なら在留届を、バンコクの日本大使館 または チェンマイの日本総領事館に提出していると思う。
以前は窓口で紙で提出しなければならなかったが、最近はネット登録も出来るようになった。

在留届には、「長期滞在」か「永住」かを選択する欄があり、いずれかにマルを付けて提出する体裁になっている。
タイに来た当初は、ほぼ誰もが「長期滞在」にマルをして出したはずだ。

もっとも、「永住」にマルを付けるのには永住権の保持が原則とはされているものの、永住権がなくとも永住意志がある人が、はじめから「永住」にマルを付けて提出することもできるようだ。
(委細は大使館/総領事館の窓口で要確認)

在留届の変更

在留届は登録事項に異動・変更があれば、変更届を出すことでアップデートが出来る。
それなので、無事にタイ永住権を取得して永住者となったら、在留届の登録内容を「長期滞在」から「永住」に変更することが出来る。

永住権を得たからと変更は、なかなか発想しない

もっとも、そうして「永住」に変更したからと言って何か目に見えるメリットがあるわけではないし、「永住者になったら変更してくださいね」などと積極的に案内されているわけでもない。
日本大使館/総領事館に出向くことも手間だ。
だから、永住権は取ったけれど、あえて変更などしようとは思わない人も、少なくないと思われる。

なにより在留届など、一度提出したら、普段思い起こすことなどまず全くない。
転居した・結婚した・子供が生まれた等が生じれば別だが、そうでもない限り大体はそれっきりだ。
ましてや、永住権を得るはるか以前に提出した在留届の記入事項に「長期滞在」か「永住」かの別があったことなど、忘れてしまっているのがほとんどだろう。

なのでそもそも、「永住権を取ったから在留届の登録を変更する」ということ自体を、なかなか発想しないのが実際のところではないかと思う。

「隠れ永住者」もそれなりにいる?

日本外務省が発表している海外在留邦人統計のタイの数字から割り出すと、在タイ邦人数に占める永住者の割合は2.3%だ。
この統計は提出済みの在留届に基づいて、「長期滞在」と「永住」のいずれにマルをつけたかで作成される。
永住者の数を見ると毎年、年を追うごとに微増している。
だから、実際に在留届を「永住」に新たに変更している人が、毎年いるであろうことは間違いない。

参 照:タイの日本人永住者は在留邦人のわずか2.3%?

が、上の状況を勘案すると、永住権は取ったけれども「永住」へ変更していないために日本側の統計には現れない、いわば「隠れ永住者」のような状態の人も、それなりにいるのではないかと思われる。
それに実数調査というものは往々にして、どうしても拾いきれないケースは出るものだ。
このような外国で在留邦人の任意の届け出を前提にした調査なら、なおさらだ。
なので私は、実際の永住者の数はきっとこの2.3%よりももう少し多いはずだろうと、個人的に推測している。

私はわざわざ変更した

私の場合はどうかというと、わざわざチェンマイ日本総領事館に連絡して、変更した。

わたしが今の在留届を提出したのは、もう20数年前だ。
それほど以前に提出した在留届に、そもそも「長期滞在」か「永住」の別があったこと自体を覚えていたことが、奇特だと思われるかもしれない。
覚えていたのには理由があって、ジャパンレールパスを割と頻繁に利用しているので、パス購入の根拠書類(10年以上海外在住の証明)として日本総領事館から毎年2回、「在留届の写し」を発給してもらっていたためだ。
だから頻繁に中身を見て、自分の登録事項を認識していたのだ。

だがそれでも、いちいち永住に変更せずに放置もあり得るのにわざわざ変更したのには、理由がある。

不思議なことに、タイ永住権の保持を証する冊子等には、「この冊子の保持者はタイ永住者である」と明示的に永住権保持を表記したものが、何もない。
永住権を証する「居住証明書」Certificate of Residence ใบสำคัญถิ่นที่อยู่ にも、中にそういう明示的な表記はないし、冊子の名称にしても単にResidence ถิ่นที่อยู่ であり、Permanent Residence ถิ่นที่อยู่ถาวร ではないため、誤解しやすい。
タイ内務省が発行する「非タイ国籍者用IDカード」にも、券面に永住者か否かは表記されない。

だから、永住者である事実を対外的に証明したり説明したりする際に、たとえ補助的でもいいから何かもっとわかりやすいものがないものだろうかと、常々考えていたのだ。

そう考えているうちに、在留届の写しの表記が「永住」となっていれば、特に日本向けに説明するような際には、時と場合によっては少しは役に立つのではないか、と思い至った。

在留届の「永住」で永住権保持者だと説明する?

もちろん、在留届の「長期滞在」と「永住」の別は「自己申告」なので、それ自体がタイの永住権保持を直接証明するものではない。

それになにより、当のタイ政府が発行した書類でもない。

しかしそれでも、「永住」と記された在留届の写しを示すことで、あくまで補助的にであっても、永住者だと説明する際にある程度は説得力を持つのではないかと思ったのだ。
ほかに何もないよりはいい、という発想だ。

これがどれだけ意味あることなのかは、正直自分でもわからないし、単なる自分の気休めのような気もしている。
幸か不幸か、在留届の写しを示してそういう説明が必要な状況は、まだ到来していない。

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