必読! タイ永住権審査は点数制

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2020年8月

必読! タイ永住権審査は点数制

以下は、入管永住権デスクで確認したことだ。
たぶんここにしか書いていない情報だ。

重要なのでよく読んで欲しい。

タイ永住権の審査は、「点数制」になっている。

「申請書類の点数」+「タイ語面接の点数(10点満点)」の、両者の合算点で判定される。
書類は、申請カテゴリーに従ったいろいろな申請要件、例えば、ノンイミグラントビザの延長年数・就労年数・結婚年数・子供の有無・納税額・学歴等々に、それぞれ点数を付与する。
タイ語面接の結果も点数化され、10点以内で点を付与する。
「申請書類+タイ語面接=50点以上」であれば、基本的に合格で、永住権審査の合格内定者となる。

但し、50点以上だから自動的に合格という訳ではなく、警察や治安当局の情報はじめ他の要素も含めて最終判断される。

しかし、他の要素が問題で不合格とされるケースは、隠していた前科や不穏な活動が明らかになったなどの訳アリでない限り、通常はまずない。

なので、結局、点数でほぼすべてが決まると言える。

なお、書類だけですでに50点以上ならばタイ語は0点でもよいわけではなく、面接でタイ語が一定レベル以下だと書類の点数如何に関わらず不可となる。
しかし、タイ語が何点以上要求されているのか等は、非公表のため不明だ。

点数計算の基準は非公表!

残念ながら、点数計算の基準や詳細は非公表だ。
算出基準は訊いても教えてもらえない。
なので、自分で計算してみることは出来ない。

それでも自分の点数は確認できる

それでも、自分の点数は事前に確認できる。
本申請前の書類の事前チェック時に、永住権デスクの担当者が概算を算出して教えてくれるからだ。
この段階ではまだ完全書類ではないので、仮に全部揃ったとした場合の概算だが、ここで教えてくれる点数が、実は極めて重要だ。

点数が低すぎると「門前払い」!

事前の点数概算が、どうしてそんなに重要なのか?
理由は、永住権デスクは、たとえ申請基準がすべて満たされ書類も揃っていても、点数があまりに低ければ合格可能性なしと判断し、当年の申請はさせずに、翌年以降の申請を促す運用をしているからだ。
つまり、点数が低すぎると申請自体が受理されない。受理する前に「門前払い」となる。

点数はさらに、完全書類を本申請する際にも、再度算出される。
本申請に問題がないことが、点数上も最終確認された上で、正式受理となる。

いずれの申請要件も最低ラインだと・・・

申請資格は満たして書類もすべて揃っているはずなのに、点数を算出してみたらダメで門前払い、ということは、実際にあるだろうか?

私に実例はわからないが、もしかしたら、各申請要件、例えば、ノン・イミグラントビザの延長年数・給与・就労年数といった各要素が、満たしはしてもみな最低ラインばかりだと、そうなってしまうことがあるのかも知れない。

巷では、タイ永住権を取るには「規則上は就労年数なら3年以上とされているが、実際にはもっと年数を積まなければダメらしい」というようなことが言われることがある。
これは私も興味があったので担当者に直接確認したが、公示されている条件以外に別の基準があるというようなことはない、とはっきり言っていた。
問題はそこ(=あるひとつの要件が基準ギリギリかどうか)ではなくて、各要件を点数化した時の合計点だという。
基準ギリギリの要件があろうと、他の要件と合わせて合計点が達していればよい。

なので私見だが、タイ永住権を巡ってはそういう「規則にはこう書いてあるが、実際にはもっとそれ以上でなければダメらしい」というような言説はよく聞くが、それは突き詰めれば「合算してみたら点数が足りなかった」ということに帰結するのではないかと思われる。

とにかく入管で点数の確認を!

いずれにしても、書類があらかた揃ったら入管永住権デスクに行き、事前チェックと点数の算出で、自分の申請可能性を十分に確認しよう。

私の書類点数は47点!

タイ語面接と合わせれば大丈夫だろうと正式受理

ちなみに私は、書類が47点だった。
タイ語面接(10点満点)の結果との合算で、50点以上ならば、永住権発給内定者になる。

私の担当者は、

「あなたがタイ語面接でわずか1~2点はないでしょうよ」
「10点満点かは知らないけどね」
( ↑ 一言多いよ、係員さん)

ということで、申請が正式受理となった。

私から特段に交渉して受理を吞んでもらったのではなく、
「47点! 各申請条件もすべて満たして書類もすべて揃ってる。あとはタイ語で行けるから、うん、受理!」
という感じだった。

ここから分かるのは、たとえ書類だけでは50点に少々満たなくても、「タイ語面接と合わせれば合格見込」と見なされれば、正式受理してもらえる。

私の書類点数が低く出た理由

私の書類点数が47点と比較的低く出た理由だが、恐らく、次の二件が要件ギリギリかそれに近かったためと思われる。

ひとつは就労歴で、労働許可証延長ベースで3年2か月。
もうひとつは結婚Non-Oビザ延長歴で、5年7カ月。

永住権の申請要件ではいずれも、就労歴は3年以上、ノン・イミグラントビザ延長歴も3年以上だ。
だから私は要件を満たしてはいたが、そう大きく超えてはいない。就労歴など、3年の最低ラインをわずかに2か月上回っているだけで、本当にギリギリだ。
実際のところは、永住権申請時点で私のタイ在住歴・就労歴は通算22年、結婚歴も10年以上だったが、ビザも労働許可証も以前切らして取り直していたから、こうなった。

だから形式上、「在タイ歴5年7カ月・就労歴3年2カ月の人」が、永住権申請したことになったのだ。

逆に言えば、これぐらいの在住・就労実績であっても、他の要件も合算して合計点が達すれば、タイ永住権が取れるのである。

申請受理にさえたどりつければ一安心

そして、永住権審査はこのように、申請受理前の段階で書類精査と点数による判断がなされ、合格可能性がない者ははじめから申請自体を受け付けないという、いわば「事前審査制」とでも言える運用がなされている。

それなので、ここではじかれて「門前払い」にされずに申請自体が受理されるかどうかが、最大のヤマだ。
タイ語に問題がある場合には話が違って来るが、正式受理にまで漕ぎ着けたならば、実質的な審査はほぼ済んだようなものなのだ。

各国100人枠を超えた場合は、点数による足切り!

日本人同士の「競争」はまだない

それから、永住権デスクによれば、日本人の申請受理者の数は例年、2~30人程度とのこと。
国籍毎に100人の上限にはとうてい届かないので、日本人申請者同士の「競争」は発生していない。

100人の上限を超えた国には「足切り」が

一方、もしも申請受理者が各国100人の上限を超えた場合には、たとえ50点を上回っていても、その国籍者の中で点数の低い者に、「足切り」が発生するそうだ。
この場合まず、100人枠から申請カテゴリー別に合格人数を分配し、各カテゴリーの分配人数毎に、点数上位者から合格とするそうだ。
すると、50点を超えていても枠に入れなかった下位者は、足切りとなって不合格になる。
但し、点数一本ではなくて他の要素も加味し最終判断されるという。

上限越えでよくこれが起こるのが、中国人とインド人だそうだ。

点数が低く不受理の場合の再申請

点数が低く不受理の場合には、永住権デスクが問題の箇所を指摘し、翌年以降にそれが整った段階で申請し直すように促しているそうだ。

点数は自力で上げられるのか?

点数が低くて不受理になってしまった場合、点数は自力で上げられるのだろうか?

算出基準が非公開なので何とも言えないが、点数の対象となる要素には、ただ年数を重ねることで評価が上がるものが多くある。
例えば、ビザ連続延長年数・就労年数(=労働許可証の連続延長年数)など。
これらは、長いほど点が上がる。
(但し、1年単位で加点されるのか、数年単位で区切った点数帯があるのかは不明)
こういうものを積み増せばいいなら、たぶん数年待てば、申請が可能になるのだろう。

給与・学歴・子供の有無などは、自力で上げることも不可能ではないが、そう簡単ではない。
ただ、問題は個別要素の点数ではなくて合算点なので、積み増しできるところで積み増せばよく、合格見込みに達した年に申請すればいいのだろう。

永住権デスクのアドバイスを聞くしかない

とにかく、点数が低くて不受理になってしまったなら、どうしたら点が上がって満たされるのか、永住権デスクの指摘をよく聞いて、アドバイスに従うほかはない。

何点で通ろうと貰える永住権は同じ

何点で通ろうと貰える永住権は同じだ。
点数とはあくまで、審査で合格・不合格(ないし申請受理・不受理)を区分けするためだけのものだ。
通ってしまえば、何点で通過したかには何の意味もない。
点数上位者が何か有利に扱われたり、何かが早まる訳ではない。

但し、同国籍者の中で申請受理が100人を超えて「足切り」が発生した場合だけは、そればかりではないと言える。
ただ、申請が少ない日本人には、まず起こり得ない。

なので、何点だろうと通ってしまえば、後はみな同じだ。

タイ語面接(満10点)について

タイ語面接は、申請が正式に受理されてから数か月後に実施される。
タイ語面接の点数配分は満10点だ。書類審査の点数に合算される。
私の場合には、申請受理が2018年12月で、面接は2019年6月だった。

面接は申請受理された後の話なので、ここでは触れない。こちらに詳しくまとめた。

参 照:タイ語面接

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