2020年8月
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パスポートコピーは単純そうで、そうでもない
パスポートコピーは、タイ永住権の申請資格を満たしていることを証する上で、ノン・イミグラントビザとその延長に途切れがないかを証する根拠となる。
例えばノン・イミグラントビザを3年延長していることを証するには、パスポートコピー上で、失効なく途切れずに延長を重ねていることが、正しく溯れなくてはならない。
そのため、旧パスポートに遡る場合にはそちらも含めて、スタンプが付いた全ページ分をコピーし提出する。
タイの出入国に直接関係あるページだけを抜き出すのではなく、他国のスタンプ等であってもスタンプが付いているページは、全ページをコピーする必要がある。
パスポートコピーには、実は、申請案内にも明示されていない決まりごとがある。
案内さえ明示的にあればすぐ分かることなのだが、そうでないからこそ、ややこしいといえる。
申請案内にもない留意点は、コピーの向きとサイン
留意点は、コピーの向きとサインだ。
そしてそれが、全ページを通じて一貫していることだ。
こんなことは申請案内にも書かれていないのだが、これが正しくないと不受理となって突き返されてしまう。
以下に、良い例と悪い例を挙げて置く。
パスポートコピーの良い例


パスポートコピーの悪い例

要点は、A4用紙を順にめくって見て行く際に「他の書類と同じようにすぐに読み取れる向き」で、コピーとサインがされていることだ。
一番下の画像の例だと、読み取るためには用紙の向きを変えなければならないので、ダメだそうだ。
各ページ同じ位置にサインと楷書の氏名を記入
コピーした各ページには、パスポートと同じサインをする。
さらにサインの真下には、アルファベットの楷書で氏名を書き込まなくてはならない。これは手書きでもスタンプや印刷でもいい。
サインの位置は、全ページともページ右下の、だいたい同じ位置と高さで入れる。
ページによって上下左右に散らばってしまったりしては、ダメだ。
全ページがバラバラでなく、ひとつの一貫した体裁になっていることが重要だ。
突き返され、86ページをコピーし直して、再度サイン・・・
私は1回目の申請では、パスポートコピーの向きがダメだと、突き返されてしまった。
パスポートコピーの取り直しなど、数ページならば全く大したことではなく、どうでもいいと思える。
しかし永住権申請には、スタンプが付いているページは全ページをコピーして、提出せねばならない。
だからスタンプが多いほど、コピーは増える。
あいにく私のパスポートは、10年パスポートを増補して、それでもページ残余がないぐらいに一杯だった。
そのため、コピーすると43ページになった。
提出は2部要るので、計86ページ。
この全ページにいちいちサインをして、サインの下部にアルファベットの楷書で氏名を入れるのをやり直すのは、これだけでなかなかの手間だ・・・
写り具合の鮮明さにも注意
コピーの写りが鮮明でないとか、画像の位置が他のコピーと大きく違っていて体裁が一貫していない等の理由でも、リジェクトされる可能性がある。
特に、ビザ延長スタンプなど「肝心なもの」が、淡くて判別出来なくなっていないかは、よく確認した方が良い。
実際、タイ入管の青い出入国スタンプは押し具合によっては薄く、コピーすると鮮明に出ないことがよくある。
私はそのため、パスポートの全ページを高画質スキャンしてパソコンに取り込み、ワードで各ページ同じ高さになるように貼り付けた上で保存して置き、高画質印刷するという方法を取った。
コピーにはサインして謄本証明するという考え
タイでは、手続きに提出するコピーはただそのままでは受領してもらえず、原本の発行元ないし持ち主が「サインすることで謄本証明をする」という考え方がある。
単にサインすれば受領してもらえることもあるが、サインは読めないのでより正式には、サインの真下に氏名を楷書で記す。
永住権に限らずタイの行政手続きでは、パスポートや労働許可証の「全ページコピー」を出せと言われることが多い。
そのほかにも、タイでは手続きにいろいろな書類のコピーをしょっちゅう求められる。
そのたびにコピーの各ページには、サイン+楷書の氏名 が必要になる。
コピーが多ければ、氏名のゴム印があると楽
私は自分の氏名のアルファベットゴム印を作った。
コピーにサインをしたら、サインの真下にはこれを押す。
手を動かす手間が半分になって、永住権申請以外にも、かなり重宝する。
もしコピー画像をワード等に貼り付けてから印刷するなら、楷書の氏名ははじめから印刷してしまっても良い。