受領後にする諸手続き

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2021年12月

入管だけでは永住権受領手続きは済まない!

タイ永住権の審査に合格すると、バンコクの入管第1ディビジョン永住権デスクで、永住権を証する冊子「居住証明書」 Certificate of Residence の受領がある。

これが狭義には、「タイ永住権の受領」だと言える。
しかし、それだけでは済まない。

永住者になったことで義務的に課される役所の手続きが、「警察署」と「郡役所」(居住地によっては区役所・市役所)でもあるのだ。
これらをすべて完了させなければ、タイ永住者として正しいステイタスを得たことにはならない。
そのため、これら一連の手続きすべてが、「実質的な永住権の受領手続き」だと言える。

手続き先は、入管・警察署・郡役所の3か所!

新らたに永住者となったら、「入管」「警察署」「郡役所」(居住地によっては区役所・市役所)の3か所で、それぞれ手続きが必要になる。
この順番で各役所を回って、以下の手続きを行わなければならない。
それぞれ期限が定まっているので、注意が必要だ。

順番 役 所 せねばならないこと 期 限
バンコク入管
(永住権デスク)
永住権を証する「居住証明書」Certificate of Residence を受領 入管から「永住権審査合格通知」が発出されて1か月以内。
居住地を管轄する警察署 「外国人身分証明書」Certificate of Alien を受領 入管で「居住証明書」を受領してから7日以内。
居住地を管轄する郡役所(区役所・市役所) タイID番号を取得し、紺色の「住居登録証」(タビアンバーン)トーロー14へ氏名を記載 入管で「居住証明書」を受領してから15日以内。

手続する順番は、上の通りでなければならない。
前の役所で取得した書類や冊子を、次の役所に提出することになるからだ。

タイIDカードの取得も

新たな永住者に義務付けられた一連の手続きは、上記の通りだ。
上の手続きを完了せねばならないことは、入管から永住者に対してはっきり指示される。

ただその他に、入管からは特に指示も説明もないのだが、「タイ国民登録法」やタイ内務省中央登録局「非タイ国籍者IDカード発行規則」に従えば、外国人が「住居登録証」(タビアンバーン)に登録されたら、タイ内務省が発行する「非タイ国籍者IDカード」を、義務的に取得せねばならないことになっている。
もっとも、IDカードを取得しないからといって取得を強く促されたり咎められることは、現状ではない。
なので実態としては、IDカードの取得は本人の任意だ。

それでも、タイの実生活でも住居登録証(タビアンバーン)があるなら、IDカードもあった方がなにかと自然だ。
なので、IDカードの取得までが、一連の永住権受領手続きだと言えそうだ。

IDカードは、「住居登録証」(タビアンバーン)に氏名を記載した郡役所(ないし区役所・市役所)で、発行を受けることが出来る。

なお、ノン・イミグラントビザの非永住者時代にIDカードを取得していた人は、永住者になるとID番号が変わるので、IDカードも取り直しになる。

これが、タイ永住権受領の「完成形」!

このようなことから、タイ永住権を正しく受領した「完成形」と言えるのは、入管・警察署・郡役所等での手続きがすべて終了して、次の3つの冊子+IDカードを取得し、手元に有効に保持している状態だと言える。

1. 入管が発行し永住権を証する冊子「居住証明書」Certificate of Residence

Certificate of Residence
タイ永住権を証する冊子「居住証明書」Certificate of Residence

2. 警察署が永住外国人にのみ発行する「外国人身分証明書」Certificate of Alien

Certificate of Alien
警察署が永住者にのみ発行する「外国人身分証明書」Certificate of Alien

3. タイ人と同じ紺色の「住居登録証」(タビアンバーン House Registration)トーロー14

紺色の「住居登録証」(タビアンバーン)トーロー14。永住者もこちらに氏名を記載する。

4. タイの「非タイ国籍者IDカード」Non Thai Identification Card

Thai ID Card PR
タイの「非タイ国籍者IDカード」。タビアンバーンに氏名登録した役所で作成できる。

各手続きの詳細は以下を参照

それぞれの手続きは、役所に出向けばすぐ終わるようなものではない。
そこはあくまでタイの役所。いずれもかなり面倒だ。
つまり、タイ永住権は申請も大変だったが、受領するのもなかなか大変なのだ。

しかし当然だが、こんな手続きをする必要があるのは一回だけだ。
完了すればもう二度とする必要はない。
なので「生涯で一回だけ」のことだと割り切って、確実に粛々と済ませたい。

詳細は以下に記したので、参照されたい。

参 照;タイ永住権の受領のための入管出頭

参 照;外国人身分証明書 Certificate of Alien の取得

参 照;住居登録証(タビアンバーン House Registration)へ登録

参 照;タイIDカードの取得

ノンクォーター・イミグラントビザの取得は任意

なお、タイ永住権を受領しても、ビザは特に何ももらわない。
永住権を証するものは、冊子形式の「居住証明書」Certificate  of Residence として受領している。
なので、「永住ビザ」といったものがパスポートに押印されることもない。

しかし、永住者の中には、「永住権を取るとビザがノン・イミグラントビザから、ノンクォーター・イミグラントビザに書き換わる」という人がいる。

これは、正しくない。
新規永住者に対する「ビザの書き換え」などという手続きはない。

ノンクォーター・イミグラントビザとは、「永住者用の再入国許可」の役割をする1年有効のスタンプだ。
永住者には「リエントリー・パーミット」Re-entry Permit が発行されないので、タイに再入国するために代わって必要になるのがノンクォーター・イミグラントビザだ。
役割は「永住者用の再入国許可」なので、永住者がタイを出国して再入国する際にだけ必要になる。
必要になったら取得すればよいだけなので、取得するしない・いつ取得するかは任意で、どうするかはもっぱら永住者本人の意思に任されている。
だから、もし出国する予定があるなら取得すればいいし、当面出国予定がないなら、出国する時まで取得は不要だ。

何かと誤解されることが多いノンクォーター・イミグラントビザについては、こちらにまとめた。

参 照;ノンクォーター・イミグラントビザは永住ビザじゃない!

永住権を得たら維持が最重要!

タイ永住権を受領して晴れて永住者となったら、今後の永住生活で何を置いても最重要なのは、永住権を決して失効させずに確実に維持して行くことだ。
タイ永住権の維持については、こちらにまとめた。

参 照;タイ永住権の維持

参 照;タイ永住権者が得る3つの冊子とその維持

 

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