2021年2月
目次
タイ永住権取得にいくらかかったか?
トップページにも記したが、私はタイの永住権を、自力で個人申請した。
代行業者は全く使わなかった。
申請条件や提出書類の委細は、すべて自分で調べて入管永住権デスクに直接相談し確認した。
無犯罪証明書と最終学歴証明書のタイ語翻訳と認証取得も、自力で行った。
正直なところ、煩雑ではあってもみな自力で済んだので、代行業者に頼む必要性を感じることは全くなかった。
このような形でタイ永住権を個人申請して、支払いが発生したのは、公けに規定の手数料と関係の諸経費だけだ。
「規定外」の何かを支払ったことはない。
タイ入管が定める永住権の手数料を挙げると、以下の通りだ。
申請手数料 | 7,600バーツ | |
受領手数料 | タイ国籍者またはタイ永住権を有する外国人の「家族」、元永住権保持者の再申請 | 95,700バーツ |
それ以外 | 191,400バーツ |
しかし、上記は入管に納める手数料分だけなので、実際に申請しようとすれば当然ながら、申請者が支出する諸費用はこれだけでは済まない。
いろいろな準備やバンコク入管に出向くための移動などにも、それなりの支出が発生する。
では、私が自力でタイ永住権の申請準備を始めてから受領するまでに、すべてトータルでいくらかかっただろうか?
ずばり!永住権取得にかかった総支出は約17万バーツ(約57万円)だった!
ズバリ示そう。
私がタイ永住権取得までにかかった総支出額は、ざっと「17万バーツ」程度だった。
1バーツを3.35円とすれば、「約57万円」だ。
これは、入管に支払った手数料だけではなくて、準備段階から始まって永住権の受領手続きを完了するまでに発生した、すべての費用の合計だ。
他の役所に支払った費用や、居住地のチェンマイからバンコク入管に往復を重ねた費用なども、すべて含んでいる。
以下に細かく開示して行こう。
役所に公示の手数料しか払っていない
まず当然だが、私が入管及びその他の役所に支払ったのは、公示の手数料のみだ。
入管にも他の役所にも、規定外の何かを支払ったことは全くないし、間接的にでもそういうものを要求されたこともない。
ただ、タイのごく常識的な範囲で手土産を渡したりはしている。
代行業者はもともと使っていないので、業者に対するサービス手数料は全く発生していない。
支払の内訳
支払は大別すると、次の三つに分けられる。
◆「役所の手数料」(申請手数料・発行手数料等)
◆「移動費・宿泊費」(バンコク入管での永住権の条件確認・申請・受領のため)
◆「申請準備のための諸経費」(証明写真・コピー・銀行ステートメント・卒業証明書取寄等)
これらの委細を示す。
役所の手数料
役所に支払った手数料の一覧は、以下の通りだ。
入 管 | 永住権申請手数料 | 7,600バーツ |
永住権受領手数料 | 95,700バーツ | |
永住権受領申請書の代書料 | 2バーツ | |
小 計 | 103,302バーツ | |
日本総領事館 | 無犯罪証明書 | 無 料 |
無犯罪証明書の印章証明 | 1,380バーツ | |
最終学歴証明書の印章証明 | 1,380バーツ | |
小 計 | 2,760バーツ | |
タイ外務省認証課 | 無犯罪証明書の翻訳証明 | 200バーツ |
上の印章証明に対する翻訳証明 | 200バーツ | |
最終学歴証明書の翻訳証明 | 200バーツ | |
上の印章証明に対する翻訳証明 | 200バーツ | |
小 計 | 800バーツ | |
労働事務所 |
就労経歴証明書 | 10バーツ(収入印紙) |
小 計 | 10バーツ | |
税務署 |
納税証明 | 不 明(きわめて少額) |
小 計 | 不 明 | |
警察署 | 外国人身分証明書の新規発行手数料 | 200バーツ |
同・1年有効手数料 | 200バーツ | |
小 計 | 400バーツ | |
郡役所 |
結婚登録書 คร.2 | 20バーツ |
住居登録証への新規登録 | 無 料 | |
タイIDカードの発行 | 60バーツ | |
小 計 | 80バーツ | |
合 計 | 107,352バーツ |
このように、タイ永住権の申請から受領で各役所に支払った手数料の総額は、107,352バーツだった。
上には、入管での永住権受領手数料のほかにも、警察での「外国人身分証明書」の取得費用や、郡役所でのタイIDカードの取得費用、その他のすべての役所で支払った手数料が、みな含めてある。
税務署の納税証明の正確な費用だけが不明になってしまったが、きわめて少額で、数十バーツ程度だった。
(納税証明の謄本の交付手数料は1部につき6バーツ)
移動費・宿泊費
私は地方のチェンマイからの申請だったので、バンコクの入管第1ディビジョン永住権デスクまで出向くための、「移動費(飛行機代等)・宿泊費」が、それなりに発生した。
バンコク行きは5回・入管へは6回
バンコク行きは5回・入管に行ったのは6回だった。
バンコク行き | 入管行き | 所 用 |
1回目 | 1回目 | 申請準備のための委細確認と相談 |
2回目 | 2回目 | 本申請(しかし不受理) |
3回目 | 3回目 | 再申請(受理された) |
4回目 | 4回目 | タイ語面接 |
5回目 | 5回目 | 永住権の受領申請 |
6回目 | 永住権の受け取り |
入管行き5~6回目の間はバンコクに滞在したので、チェンマイからバンコクに向かったのは合計5回だった。
バンコクでは毎回宿泊した。
入管行き1~5回目までは妻も同行した。
発生した移動費・宿泊費の概算
上で発生した移動費・宿泊費だが、あいにく経費明細が残っていない。
飛行機代もホテル代も毎回同額ではないが、記憶からたどったおよその概算では、以下の通りだ。
なお、妻に発生した移動経費も含めている。
飛行機代 | 片道2,300バーツ × 10回 × 2人 | 46,000バーツ |
チェンマイ空港 駐車場代 | 1回(2日)400バーツ × 5回 | 2,000バーツ |
バンコクホテル代 | 1泊2,000バーツ × 7泊 | 14,000バーツ |
合 計 | 62,000バーツ |
このように、「移動費・宿泊費」の概算は約62,000バーツ。
大体こんなところで、大きくは違ってないと思う。
上に含まなかったものに、バンコクのタクシー代と食費が発生しているが、大した額ではないので省いている。
そのほかにチェンマイで、日本総領事館・タイ外務省認証課・労働事務所・税務署・郡役所・警察署・銀行といったところに足を運んだので、その移動費(ガソリン代)が発生している。
これも、いずれも近場で無視できるぐらい少額なので、省いている。
チェンマイの地の利でバンコク行きが少なく済んだ
私の場合には幸いにも、日本総領事館とタイ外務省領事部認証課での各種手続き(書類取得と認証)は、住まいのあるチェンマイで済ますことが出来た。
チェンマイに日本総領事館と、タイ外務省認証課の出先があるためだ。
もしそうでなかったら、さらにプラス2~3回のバンコク往復が発生したはずだ。
申請準備のための諸経費
「申請準備のための諸経費」は、日本からの卒業証明書の取り寄せに5,000円ほど要した。
他は明細を保管していないが、健康診断書や銀行ステートメント(預金証明書)の取得、証明写真や書類のコピーなどを合わせて、全部ひっくるめても1,500バーツ程度で、少額だ。
卒業証明書(最終学歴証明書)の取寄せ経費とも合わせると、「申請準備のための諸経費」の合計はまあざっと「3,000バーツ未満」というところだと思う。
タイ永住権の申請準備から取得までの総支出額の合計
ここまでに挙げた支出額を合わせると、次のようになる。
役所の手数料 | 107,352バーツ |
移動費・宿泊費 | 62,000バーツ |
申請準備のための諸経費 | 3,000バーツ |
合 計 | 172,352バーツ |
このように、「タイ永住権の申請準備から取得までの総支出額」の合計は、172,352バーツとなった。
ただ、「移動費・宿泊費」と「申請準備のための諸経費」は明細を保管しておらず、記憶をたどったざっとの金額なので、端数には意味がない。
ここに含めていない経費に、バンコク滞在のタクシー代と食費、チェンマイ市内の移動費(ガソリン代)があるが、まあ無視してもいいような少額だ。
上記から、私がタイ永住権取得までにかかった総支出額は、まあざっと「17万バーツ」程度と言ってよいかと思う。
1バーツを3.35円とすれば、「約57万円」となる。
当然、総支出額は人によって異なる
私の場合の総支出額は、上に挙げたように約17万バーツ(約57万円)だったが、タイ永住権を自力申請すればみんなこの額になると言う意味では、もちろんない。
総支出額は人によってかなり異なる。
永住権の申請カテゴリーによる経費の差
まず入管の「永住権受領手数料」は、永住権の申請カテゴリーで異なる。
私のように「タイ国籍者の扶養者/被扶養者」(=いわゆる「家族」)のカテゴリーで申請した場合は、95,700バーツだが、それ以外だと191,400バーツになる。
約二倍の開きがある。
住まいがバンコクか地方かでの経費の差
「移動費・宿泊費」は、人によってかなり変動する。
永住権を取り扱うのはタイ全土でただ1か所、バンコクの入管第1ディビジョン・永住権デスクだけだ。
永住権手続きで何かあればその都度、バンコク入管へ出向かなければならない。
その「移動費・宿泊費」は、バンコク住まいの人ならば、宿泊費は発生しないし移動費もごく少額しか発生しないだろう。
私は「移動費・宿泊費」に62,000バーツ(約20万円)を費やしているが、バンコクの人ならばガソリン代だけか、かかってもタクシー代3,000バーツ程度かも知れない。
この差はなかなか大きい。
バンコク住まいの人はそういう意味で、申請には経費的に有利と言える。
逆に、地方在住で私よりもバンコクから遠方だったり交通の便が悪いところに住んでいれば、「移動費・宿泊費」はもっと多いかも知れない。
それに、地方在住者が不受理を繰り返されて何度もバンコク入管に足を運ぶことになったり、入管だけでなくバンコクの日本大使館・タイ外務省認証課に複数回足を運ぶようになれば、「移動費・宿泊費」はその都度増えて行く。
私の実例が検討する上で参考になれば
このように総支出額は人によって異なるが、実際にタイ永住権を取得した際の総支出額の実例など、まず知られることがない。
そのため、私が支払った実額の事例が、いろいろ検討する上で一つの目安として参考にはなるのではないかと思い、公開した次第だ。
タイ永住権総額「17万バーツ」(57万円)は 高かったか? 安かったか?
タイ永住権取得までの総支出額 約17万バーツ(約57万円)は、果たして、高かったのか? 安かったのか?
この総支出額はだいたい事前に予想していた額だった。
予期しない何かがあったとしても20万バーツ未満ではないか見ていたので、その範囲内に収まった。
安定・安心と引き換えたので、個人的には高いと感じない
私個人の実感を言うと、この金額が安いとは思わないものの、しかし、特段に高いとも思わない。
タイ永住権を獲得したことで、今後一生涯に渡ってタイに住まうステイタスの安定が得られた。
ノン・イミグラントビザであれば毎年のビザ延長が一生涯付きまとうのから解放され、将来的なビザ・ステイタスの喪失可能性に対する心配からも解放された。
このような安定と安心が得られ、タイに住まう基盤が決して揺らぐことはないというのは、私に取っても家族に取っても本当に大事なことだ。
このような安定・安心と引き換えたと考えた時に、約17万バーツ(約57万円)という金額は私には、特段に高いとは感じられない。
こういう捉え方は人によって異なるので、例えば、永住権の経費がビザ延長手数料の何十倍だから割に合わない、などと考える人もいるようだ。
私の個人的な見方を述べるなら、そういう比較は無意味だ。
ずっとビザ延長の繰り返しの生活に留まり続けることと、永住権を持った生活に移行することは、意味合いのレベルがまるで異なる。そこに手数料が何倍かなどという比較が意味を成すとは考えていない。
もちろん、タイでの生き方も重視する点もひとりとして同じではないので、自分とは立場も捉え方も異なる人を、否定するようなものでは全くないが。
要するに私にとっては、引き換えに得られた「タイに永住できる権利」と「生涯に渡る自分と家族のステイタスの安定」というものが、それだけ大きかった、と言うことだ。
あえて言うならバンコク往復の経費だろうか
それでもあえて言うとすれば、永住権取得の準備・申請・受領で妻と二人でチェンマイからバンコクへ行き来した「移動費・宿泊費」が、62,000バーツ(約20万円)発生しているが、ちょっと多すぎはしないかという気はする。
地方からの永住権申請者に、もう少し優しい運用になって欲しいという思いはある。
安く上がったのは確か
もしも永住権申請カテゴリーが「家族」以外ならば、永住権の受領手数料は約二倍の191,400バーツ(約65万円)となる。
わたしの総支出額がこの金額よりも安かったのは、安く上がったと言えるだろうし、自力申請したので代行業者の手数料がないのも、その分安く上がったと言えるのだろう。
もちろん、安くあげたかったから代行業者を使わなかったわけではない。
私は業者に問い合わせたこともないので代行手数料がいくらなのかも知らない。
自力で出来ることであれば自分でやるのが当たり前だと思ったのがすべてだ。
金額よりも、私は永住権を取って安心で満足
私は自分がタイ永住権を必要だと思うので、取得した。
理由は、タイにしっかり腰を据えて永住したいと強く思ったからだ。
永住権を得たことで、タイ居住ステイタスの生涯に渡る揺るがない安定と、そこからの安心も得ることが出来た。
だから私は、永住権がこうして手に入ったことにとても満足しているし、安心している。
これはわたしに取って、金額の問題ではないと言える。