最終学歴証明書の取得と翻訳

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2020年9月

最終学歴証明書の取り寄せは、余裕をもって

最終学歴証明書とは、最終学歴の卒業証明書のことだ。
最終学歴の分のみを提出すればよい。
大卒なら高校の分は不要。大学院卒なら学部卒の分は不要だ。

取り寄せには手間がかかることが多い

手元になければ、出身校から取り寄せねばならない。
単純そうだが、いざ取り寄せるとなると結構な労力を要するので、甘く見てはならない。

同じ日本からの取り寄せでも、無犯罪証明書であれば、日本大使館/総領事館で申請さえすれば、後はただ待っているだけで日本から届く。
外務省が、警察庁とのやりとりも含めて全部やってくれるからだ。楽なものだ。

しかし、卒業証明書を取り寄せるには、日本の出身校への連絡・手続き・支払い等を、すべてタイから自力でやらなければならない。
出身校の卒業生サービス態勢にもよるだろうが、海外から申請があった場合の利便など考慮されていないことも多く、手間ヒマは結構なものになりがちだ。
日本国内の親類や知人の支援が必要かもしれない。

余裕をもって取りせるのが肝要だ。

手元にあるならば取り寄せ不要

最終学歴証明書には、他の永住権申請書類にあるような「発行から3か月以内」と言った提出期限の縛りがない。
いつ発行のものでも有効なので、もしも手元にあるなら、取り寄せずとも使うことが出来る。
ご注意今後ともそうであるとは限らないので、申請する際には、必ず入管に確認することをお勧めする。

卒業証明書は英文で取る

留意点は、英文で取ること。
日本文で取ってしまうと、使えないわけではないが、日本大使館/総領事館での認証とその後のタイ語翻訳認証のためには、タイ語の前に日本文→英文の翻訳が必要になり、作業工程が増えてかなりややこしくなる。

そのため、仮に手元にある最終学歴証明書が日本文のみであれば、英文で新たに取得した方が良い。

日本大使館/総領事館の領事認証と、タイ外務省のタイ語翻訳認証

認証の手順は無犯罪証明書と同じ

永住権申請の場合には、卒業証明書がたとえ英文でも、そのままでは入管に提出できない。
原文書に日本大使館/総領事館の領事認証を受けた後に、タイ語訳文を作成して、タイ外務省領事部認証課で翻訳認証を受けることが必要だ。

この手順は、無犯罪証明書の場合と同様だ。
無犯罪証明書の方に詳しく書いたので、参照されたい。

日本大使館/総領事館の領事認証にはいくつか種類がある

日本大使館/総領事館の領事認証には、いくつかの種類がある。
卒業証明書の認証は、卒業した学校の種類によって変わって来るので、留意しなくてはならない。

英文発行の日本の「公文書」は主に、「印章証明」により認証を取る。

国公立の大学・高専・高校を卒業した場合、これら学校が発行した英文卒業証明書は、そのままで日本の公文書なので、日本大使館/総領事館の印章証明の対象になる。

私立の大学・高専・高校(=学校教育法第1条に定める学校のうち私立)を卒業した場合には、これら学校が発行した英文卒業証明書は、「みなし公文書」として、やはり印章証明の対象になる。

一方、専修学校・各種学校を卒業した場合には、卒業証明書は「私文書」となる。
この場合、印章証明の対象とはならず、別の形式の認証が必要になる。
恐らく、私文書に対する「宣誓式の署名証明」となると思われるが、委細は、日本大使館/総領事館に目的を伝えてよく相談した方がいい。
もちろん、この場合でも領事認証は出来るので、そこは心配いらない。

最終学歴が日本国外なら、学校所在国の大使館/総領事館で認証

なお、最終学歴が日本以外の場合には、最終学歴校がある国のタイ国内の大使館/総領事館で、卒業証明書に領事認証を取ることになる。
例えば、MBAをアメリカで取得してそれが最終学歴のような場合だ。
このようなケースなら、領事認証の取得先はタイ国内のアメリカ大使館/総領事館となる。
領事認証の申請条件は国が違えば当然に異なるので、最終学歴校がある国の大使館/総領事館に、よく事前確認するのが重要だ。

もし最終学歴がタイの学校だという場合には、話は早い。卒業証明書には何の認証も不要で、そのまま入管に提出できる。

私の場合

私の出身校は、卒業証明書発行の手数料は日本国内からなら切手、海外からなら「国際返信用切手」で払ってくれという。
タイにも国際返信用切手はあって ウィマイ・バット วิมัยบัตร と呼ぶが、もうほとんど利用する人がいない。
郵便局員ですら、ウィマイ・バットと言って何かわからないことさえあるほどだ。
証明書はどうせだからと余分に取り寄せることにしたら、EMS国際送料も含めるとそこそこの金額になって、国際返信用切手の必要枚数が60枚近くなった。
チェンマイで国際返信用切手の在庫を置くことになっている拠点郵便局(と言っても3カ所だけ)を走り回って当たったが、60枚は確保されなかった。
もうバンコク中央郵便局からの取り寄せも出来ないという・・・
仕方がないので、実家に立替を頼んで、日本国内から切手で支払った。
しかし、切手か国際返信用切手のみなど、日本の大学もやり方がずいぶん旧態依然と感じた・・・

タイ永住権申請に学歴の制限はない

たまに妙な誤解をしている人がいるが、タイ永住権の申請条件には「一定以上の学歴が必要」といった制限はない。
どのような学歴だろうと関係なく、タイ永住権は申請も取得も可能だ。

なお、タイ永住権の審査は「点数制」になっている。
学歴も加点対象で、上位であるほどポイントが高くなるので、高学歴の方がポイントが有利になるというのはある。
しかし、学歴による違いはそれだけであって、申請自体は制限されない。
なにより、点数審査は全体の合算点(50点以上で合格)で行うので、たとえ学歴点が高かろうと低かろうと、全体で50点に達しているかどうかが重要だ。

「点数制」の委細は、こちらにまとめた。

参 照;必読! タイ永住権審査は点数制

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