2020年9月
最終更新 2022年7月
目次
私のタイ永住権審査の流れ
私のタイ永住権の「申請」 →「 審査」 → 「受領」 は、次の流れをたどった。
2018年8月 | バンコク入管永住権デスクで、申請資格と申請書類の委細を確認 |
2018年12月初週 | 永住権を申請。しかし、不備を指摘され不受理 |
2018年12月24日 | 再提出。永住権申請が正式受理 |
2018年12月末 | この年の永住権申請が締め切り |
2019年1月中 | 追加提出書類を、バンコク入管に郵送(前月・前年の納税証明) |
2019年2月下旬 | チェンマイ入管職員の自宅訪問・調書作成 |
2019年6月12日 | タイ語面接(バンコク入管) |
期日不明 | 入管審査委員会で審査・発給内定 |
2020年2月18日 | 永住権発給の内務大臣決裁 |
2020年3月5日 | 永住権発給の首相決裁 |
2020年4月22日 | 永住権発給が正式決定 |
2020年5月上旬 | バンコク入管から発給決定の連絡。永住権の受領申請日の調整を開始 |
2020年5月末 | 永住権の受領申請日を確定。入管が審査通過の正式通知レターを発出 |
2020年6月初 | 正式通知レターを受領 |
2020年6月15日 | バンコク入管に出頭し、永住権受領を申請 |
2020年6月18日 | バンコク入管で永住権を証する「居住証明書」(Certificate of Residence)を受領 |
このように、2018年12月24日に永住権申請が正式受理。
2020年3月5日に永住権発給の首相決裁。
2020年4月22日に発給決定。
2020年5月上旬に入管から通知があり、実際の永住権受領は2020年6月18日となった。
「永住権の申請から受領まで、丸1年6か月だった」わけだ。
永住権発給の首相決裁日はレターの中に書いてある
なお、永住権発給の内相決裁や首相決裁の日付など、どうやって分かるのか、わざわざ入管に問い合わせたのか、と尋ねる人がいた。
実はこの日付は、入管で永住権を証する冊子(居住証明書 Certificate of Residence)を受領する際に、入管から警察署に宛てた「外国人身分証明書 Certificate of Alien の発給依頼レター」(タイ語のみ)が手渡されるのだが、そのレターの中に、しっかり書かれているのだ。
こんなレターなど右から左にするだけで、中など詳しく読まない人が大半だろうが、読めばいろいろ興味深い情報がわかる。
私が受け取った同レターの全文は、こちらだ。
参 照:外国人身分証明書の発給依頼レター(タイ語のみ。PDF)
タイ語面接が終わったら、ひたすら待つ
永住権申請が正式受理されてからの審査期間に、自分で何かをせねばならなかったのは、「タイ語面接」(2019年6月12日)までだった。
その後はもっぱら、入管・政府側の内部処理になり、申請者には特に何の通知もなく進む。
この間は、こちらは何もすることがない。ひたすら待つだけだ。
私の場合は、進捗は聞けば教えてやると言われていたが、審査には問題ないと安心していたので特に尋ねもせずに、気長に待っていた。
永住権発給決定の通知
次に入管から連絡があったのは、タイ語面接から11か月後となる、2020年5月だった。
永住権発給の決定と、受領申請日調整の通知だった。
私の場合は5月にこの連絡があったが、入管内部の発給決定自体は、4月22日になされていた。
発給対象者が多数なので受領時期を散らさねばならないため、通知は全員一斉にはせず、この年は4月下旬から徐々に行ったそうだ。
なので、早い人は4月末~5月上旬に受領になったようだ。
タイ永住権の最終決裁は首相!
タイ永住権の申請から受領まで、1年6か月は、早いのだろうか? 遅いのだろうか?
間違いなく、早い。
入管永住権担当デスクの職員によると、合格者を入管側で確定したら、内務大臣決裁 → 首相決裁と上げる。
このための入管内部の処理は、12月末の受付締切から、1年以内には完了するという。
そのため、翌年12月までには入管内の処理が完了。
遅くとも翌々年1月~2月には、内相決裁と首相決裁にかけられるよう、書類を上げて行くそうだ。
またそれであるから、たとえ入管内部の処理が完了して永住権の発給対象者が内定しても、首相決裁がなければ、発給されない。
それなので、実際の発給がいつになるかを決定的に左右するのが、「首相がいつ決裁するか」だという。
政治混乱期には永住権の首相決裁なし!
タイの政治混乱と言えば、タクシン派と反タクシン派が赤と黄色で国を二分し首相府や国際空港が占拠されるなどした激しい政争は、まだ記憶に新しい。
私が話を聞いた入管永住権デスクの担当者によると、この混乱期の歴代首相は、ほとんど誰も永住権の発給決裁をしなかったとのこと。
永住権の決裁書類は、入管から首相府に上がっているのに、ずっと棚ざらしだったそうだ。
そのため、この時期に永住権を申請した人たちは、入管内部の審査ではすでに合格が内定しているのに首相決裁がないために、 長い人では5~6年も待ちっぱなしという状況になってしまったそうだ。
しかし、2014年のクーデターでプラユット首相が政権奪取してからは、溜まっていた永住権の発給決裁を一気に処理したそうだ。
その後も毎年、円滑に決裁を重ねているため、現政権下では、約1年半のペースで発給がなされているとのことだ。
追 記(2022年7月)
本サイトをご覧下ったタイ永住権保持者の方から、「2012年に永住権を受領した」というお知らせを頂いた。
2012年と言えば、インラック政権下(2011年8月~2014年5月)だ。
ここから、政治混乱期と言われるインラック政権下でも初期の比較的安定していた時期には、永住権発給があった事実が見て取れる。
私の事例を分析すると・・・
私が申請した2018年申請の例を、少し分析してみよう。
入管が内務大臣決裁・首相決裁に上げた具体的日時は不明だが、仮に通常のペースで、受付締切りから1年後の2020年1月に大臣決裁に上げたと考えよう。
内務大臣決裁は、翌月の同年2月18日になされている。
入管(警察)は内務省の1部門なので内相決裁を経て、書類は内務省から首相府へ送付される。
首相決裁は内相決裁の約2週間後、3月5日になされている。
この一連の流れの、ペースは速い。
1年6か月という、現在の永住権発給の速さはこのような、首相府に上げてから首相が実際に決裁するまでのペースの速さにあると言える。
換言すれば、首相府に上げてからが「引っかからずにすぐ流れる」のだ。
政治混乱以前の時期でも、発給まで2年かそれ以上を要したことが多かったそうなので、それに比しても早いと言える。
永住権デスクの担当者も、はっきり「今の首相は早い」と言っていた。
政治が安定している間に申請した方が良い(たぶん)
タイ政治の良し悪しについてをこの場で語るつもりはないが、今現在のスムーズな永住権発給は、政治的安定が円滑な行政処理に繋がるという、一つの事例だとは思う。
ここから分かるのは、もしも再度タイの政治混乱が激しくなって政府機能が不全に陥るとすれば、首相決裁をはじめ関係の行政処理が不安定化して、永住権発給が遅れる可能性が高いということだ。
なので、申請するのであればたぶん、政治が安定している間にした方が良いと言えそうだ。